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【事業再構築補助金:第11回】制度の内容と申請方法について【2023年最新版】

過去最大級の補助金が事業再構築補助金です。行政への手続きのプロである行政書士が制度の内容と申請方法について解説します。

目次

事業再構築補助金(第11回)の制度とは

事業再構築補助金(第11回)の対象事業者

事業要件

 下記のいずれかに該当すること。

  • 新市場進出(新規事業の売上高が10%以上になること)
  • 事業転換(主要な業種が細から中分類レベルで変わること)
  • 業種転換(主要な業種が大分類レベルで変わること)
  • 事業再編(補助事業開始後に再編し、上記3種類のいずれかを行うこと)
  • 国内回帰(海外での製造拠点を国内に移すこと)

売上高減少要件

 撤廃されました。

付加価値額要件

 申請する枠により異なります。

 (成長枠・グリーン成長枠エントリー・卒業推進枠・大規模賃金引上促進枠)

 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 4.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること

 (グリーン成長枠スタンダード)

 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 5.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること

 (産業構造転換枠・最低賃金枠・物価高騰対策回復再生応援枠)

 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること

その他要件

 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った 3~5年の事業計画書を認定経営革新等支援機関等と共同で策定すること

成長枠の追加要件

  • 取組事業が過去10年間 or 今後10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態であること
  • 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

グリーン成長枠エントリーの追加要件

  • グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決になる取組であって、1年以上の研究開発・技術開発 or 従業員の一定割合以上の人材育成を併せて行うこと
  • 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

グリーン成長枠スタンダードの追加要件

  • グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決になる取組であって、2年以上の研究開発・技術開発 or 従業員の一定割合以上の人材育成を併せて行うこと
  • 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

卒業推進枠の追加要件

  • 成長枠 or グリーン成長枠に併せて申請すること
  • 補助事業終了後3~5年で中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること

大規模賃金引上促進枠の追加要件

  • 成長枠 or グリーン成長枠に併せて申請すること
  • 補助事業実施終了後 3~5 年間、事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引き上げること
  • 補助事業実施終了後3~5 年間、従業員数を年率平均 1.5%以上増員させること

産業構造転換枠の追加要件

  • 現在の主たる事業が過去10年間 or 今後10年間で、市場規模が10%以上減少する業種・業態であること
  • 上記の業種・業態と異なる事業を実施すること

最低賃金枠の追加要件

  • 2022 年 1 月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が2019-2021年の同3ヶ月と比較して、10%以上減少していること or 合計付加価値額が15%以上減少していること
  • 2022年10月から2023年8月までで3ヶ月以上、最低賃金+50円以上で雇用している従業員が10%以上いること

物価高騰対策・回復再生応援枠の追加要件

  • 2022 年 1 月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が2019-2021年の同3ヶ月と比較して、10%以上減少していること or 合計付加価値額が15%以上減少していること or 再生事業者であること

事業再構築補助金(第11回)の補助金額と補助率

成長枠・卒業促進枠

【従業員数20人以下】100万円~2,000万円 補助率:1/2(大規模な賃上げで2/3)

【従業員数50人以下】100万円~4,000万円 補助率:1/2(大規模な賃上げで2/3)

【従業員数100人以下】100万円~5,000万円 補助率:1/2(大規模な賃上げで2/3)

【従業員数101人以上】100万円~7,000万円 補助率:1/2(大規模な賃上げで2/3)

グリーン成長枠エントリー・卒業推進枠

【従業員数20人以下】100万円~4,000万円 補助率:1/2(大規模な賃上げで2/3)

【従業員数50人以下】100万円~6,000万円 補助率:1/2(大規模な賃上げで2/3)

【従業員数51人以上】100万円~8,000万円 補助率:1/2(大規模な賃上げで2/3)

グリーン成長枠スタンダード・卒業推進枠

【従業員数不問】100万円~1億円 補助率:1/2(大規模な賃上げで2/3)

大規模賃金引上促進枠

【従業員数不問】100万円~3,000万円 補助率:1/2

産業構造転換枠

【従業員数20人以下】100万円~2,000万円 補助率:2/3

【従業員数50人以下】100万円~4,000万円 補助率:2/3

【従業員数100人以下】100万円~5,000万円 補助率:2/3

【従業員数101人以上】100万円~7,000万円 補助率:2/3

最低賃金枠

【従業員数5人以下】100万円~500万円 補助率:3/4

【従業員数20人以下】100万円~1,000万円 補助率:3/4

【従業員数21人以上】100万円~1,500万円 補助率:3/4

物価高騰対策・回復再生応援枠

【従業員数5人以下】100万円~1,000万円 補助率:400万円までは3/4、超過分は2/3

【従業員数20人以下】100万円~1,500万円 補助率:600万円までは3/4、超過分は2/3

【従業員数50人以下】100万円~2,000万円 補助率:800万円までは3/4、超過分は2/3

【従業員数51人以上】100万円~3,000万円 補助率:1,200万円までは3/4、超過分は2/3

中堅企業の補助率は省略しています。

卒業推進枠は、大規模な賃上げの対象となりません。

大規模な賃上げとは、事業終了時点で事業場内最低賃金+45円&給与支給総額+6%を達成していること

事業再構築補助金(第11回)の対象外事業について

下記のものが対象外になります。(あくまで一例です)

  • 実施の大半を他社に外注・委託し、企画だけを行う事業
  • 不動産賃貸、駐車場経営などの実質的な労働を伴わない事業や資産運用性の高い事業
  • 1次産業(農業・林業・漁業)である事業
  • 他の補助金と併せて受給する事業
  • 公的医療保険・介護保険を活用する事業
  • 障害福祉サービス事業

事業再構築補助金(第11回)の補助対象経費について

補助事業に関する経費のみが対象となります。

建物費

  • 建物の建設・改修にかかる経費
  • 建物の撤去にかかる経費
  • 賃貸物件等の原状回復にかかる経費
  • 貸工場・貸店舗等への一時移転にかかる経費

建物の新築は、真に必要不可欠であること&代替手段がない場合に限り、認められます。

機械装置・システム構築費

  • 機械装置・工具・器具の購入、製作、レンタルにかかる経費
  • 専用ソフト・情報システム等の購入、構築、レンタルにかかる経費
  • 上記と一緒に行う、改良・修繕、設置、運搬にかかる経費

単価10万円(税抜)以上のものが対象です。

技術導入費

  • 知的財産等の導入にかかる経費

専門家経費、外注費の支出先には活用できません。

専門家経費

  • 専門家の技術指導や助言にかかる経費

5万円(税抜)/日が上限です。

技術導入費、外注費の支出先には活用できません。

運搬費

  • 運搬料、宅配・郵送等にかかる経費

クラウドサービス利用費

  • クラウドサービスやWEBプラットフォームの利用にかかる経費

外注費

  • 加工や設計、デザイン、検査等の外注にかかる経費

外部に販売・レンタルするための量産品の加工は対象外です。

技術導入費、専門家経費の支出先には活用できません。

知的財産等関連経費

  • 特許権等の知的財産権等の取得にかかる弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費

広告宣伝・販売促進費

  • 広告(パンフレット・動画・写真等)の作成にかかる経費
  • 媒体掲載にかかる経費
  • 展示会出展、セミナー開催にかかる経費
  • 市場調査・営業代行利用・マーケティングツール活用等にかかる経費

研修費

  • 教育訓練や講座受講等にかかる経費

廃業費(産業構造転換枠のみ)

  • 行政書士や司法書士に依頼するための廃止手続費
  • 解体費
  • 原状回復費
  • リースの解約費
  • 移転・移設費用

補助対象経費の半分 or 2,000万円の小さい方が上限額になります。

事業再構築補助金(第11回)の流れについて

基本的な流れ

応募申請→採択(合格)発表→交付申請→交付決定→契約・納品(実施)・支払→実績報告→補助金入金

事前着手申請を活用する場合の流れ(最低賃金枠・物価高騰対策回復再生応援枠のみ)

事前着手申請→事前着手承認→応募申請→契約・納品(実施)→採択(合格)発表→交付申請→交付決定→支払→実績報告→補助金入金が一例の流れです。

交付決定日までに事前着手申請の承認を受ける必要があります。

契約・納品(実施)・支払は、どこの位置でもOKです!

交付決定前に契約・納品(実施)・支払をしてもいいのが、事業再構築補助金の最大の特徴です。

事業再構築補助金(第11回)の審査について

基本審査

事業計画が以下の内容を満たしているか審査されます。

  • 要件を満たしていること
  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額を年率平均3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上の増加等を達成する取組みであること
  • 補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確であること
  • 市場ニーズの有無を検証できていること
  • ターゲットとするマーケットにおける競合他社の状況を把握し、競合他社の製品・サービスを分析し、自社の優位性が確保できる計画となっていること
  • 価格・性能面での競争を回避し継続的に売上・利益が確保できるような差別化戦略が構築できていること
  • 事業化に向けて、中長期での補助事業の課題を検証できていること
  • 事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当であること
  • 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できること
  • 金融機関等からの十分な資金の調達が見込めること
  • 自社の強み、弱み、機会、脅威を分析(SWOT 分析)した上で、事業再構築の必要性が認識されていること
  • 事業再構築の取組内容が、当該分析から導出されるものであるか、複数の選択肢の中から検討して最適なものが選択されていること
  • 事業再構築指針に沿った取組みであること
  • 業種を転換するなど、リスクの高い、大胆な事業の再構築を行うものであること
  • 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いこと
  • 現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっていること
  • 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献し得る事業であること
  • 本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっていること
  • ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会の変化に伴い、今後より生産性の向上が見込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、日本経済の構造転換を促すことに資すること
  • 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得ること
  • 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっていること
  • ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有していること
  • 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できること

加点審査

以下の項目を満たせれば、審査が有利になります。

  • 2022 年 1 月以降のいずれかの月の売上高が対 2019~2021 年の同月比で 30%以上減少していること(又は、2022 年 1 月以降のいずれかの月の付加価値額が、対 2019~2021年の同月比で 45%以上減少していること)
  • 最低賃金枠に申請すること
  • データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行う EBPM の取組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであること
  • 応募締切日時点で「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにおいて宣言を公表していること(成長枠・グリーン枠のみ)
  • 中小企業活性化協議会等から支援を受けていること
  • 複数の事業者が連携して事業に取り組む場合であって、同じサプライチェーンに属する事業者が連携して申請すること
  • 令和 4 年度に健康経営優良法人に認定されていること
  • 事業実施期間終了後3~5 年で基準以上の賃上げを実施すること(成長枠・グリーン枠のみ)
  • 事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を基準の水準とすること(最低賃金枠のみ)
  • 応募申請時点で、えるぼしの認定を受けていること
  • 応募申請時点で、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していること
  • 応募申請時点で、くるみんの認定を受けていること
  • 応募申請時点で、次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表していること

事業再構築補助金(第11回)の申請について

事業再構築補助金の公募期間

公募開始:令和5年8月10日(木)

申請受付:令和5年9月上旬~中旬

応募締切:令和5年10月6日(金)18時

採択発表:令和5年12月下旬~令和6年1月上旬

事業再構築補助金の申請方法

GビズIDを使用し、電子申請です。

事業再構築補助金の申請に必要な書類について

事業計画書

【補助金1,500万円以下】A4サイズで10ページ以内

【補助金1,500万円超え】A4サイズで15ページ以内

以下の事柄を盛り込んでください。

  • 補助事業の具体的取組内容
  • 将来の展望(事業化に向けて想定している市場&期待される効果)
  • 本事業で取得する主な資産
  • 収益計画

認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書

補助金額3,000万円超の場合

 金融機関+認定経営等革新機関

補助金額3,000万円以下の場合

 認定経営等革新機関のみ

直近の確定申告書・法人事業概況説明書

個人事業主の場合は法人税確定申告書の代わりに、青色申告決算書 or 白色申告収支内訳書が必要です。

直近2期分の決算書

以下の書類がある決算書が必要です。

  • 貸借契約書
  • 損益計算書
  • 製造原価報告書
  • 販売管理費明細
  • 個別注記表

事業財務情報

ミラサポPlusで電子申請サポートの事業財務情報が必要です。

労働者名簿

労働基準法に基づく労働者名簿が必要です。

役員は含みません。

別途必要な書類

上記は通常必要な書類です。

枠により、追加書類がそれぞれ定められています。

公募要領で必ずご確認ください。

事業再構築補助金(第11回)の申請は、クロスターミナル行政書士事務所まで

当事務所でのサポート範囲について

以下のサポートを基本とします。

  • 事業計画書作成のサポート
  • 添付書類の確認
  • 事業財務情報の入力
  • 申請のサポート

採択後の手続きはオプションとなります。

  • 交付申請
  • 実績報告
  • 事業化報告

全国対応可能です(オンラインサポート)

電子申請のため、オンラインで基本的にやり取りするので、全国対応が可能です。

当事務所への依頼料金について

基本料金

着手金:10万円+消費税(依頼時)

成功報酬:応募申請時の補助金交付申請額の10%+消費税(採択発表時)

オプション

交付申請:10~30万円+消費税(オプション依頼時)

実績報告:15~50万円+消費税(オプション依頼時)

事業化報告:10万円~+消費税(オプション依頼時)

当事務所への依頼方法について

いずれかの方法でお問い合わせください。

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お問い合わせフォーム

CONTACT – クロスターミナル行政書士事務所 (xlos-terminal.com)

電話

06-4400-9760


大阪市の本町で補助金・支援金を中心に活動する行政書士事務所

 クロスターミナル行政書士事務所:下井

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