民泊ビジネスに興味を持つ方が増えていますが、その第一歩として住宅宿泊事業法に基づく手続きが必要です。このプロセスは複雑に感じるかもしれませんが、正しい情報とサポートがあればスムーズに進められます。本記事では、法律の要点と、申請を簡単にする代行サービスの選び方を大阪の行政書士が解説します。民泊開業の夢を現実に変えるための重要な情報を、わかりやすくご紹介いたします。
住宅宿泊事業法による民泊事業のスタートガイド
民泊事業を始める際には、住宅宿泊事業法に基づく手続きが必須です。まず、自治体への届出が必要で、安全管理や近隣住民への配慮など、細かい規定を満たす必要があります。手続きは複雑で時間がかかることが多いため、専門知識を持つ申請代行が可能な行政書士に依頼するのも一つの方法です。行政書士を利用することで、スムーズに申請を進められるだけでなく、法律に違反するリスクを最小限に抑えられます。民泊を開業する前には、市場調査を行い、立地やターゲット層を明確にすることも大切です。成功への第一歩は、正しい手続きと丁寧な準備から始まります。
住宅宿泊事業法の制定経緯について
円安、ビザの緩和、免税範囲の拡大等の影響で、多くの外国人観光客が日本に押し寄せる反面で、宿泊施設が足りておらず、民泊ビジネスが普及しました。しかし、民泊は公衆衛生の確保に課題があり、地域住民等とのトラブルも多く、さらに旅館業許可を取得できない施設や無許可で営業する例も多くありました。
そこで、民泊の適正な運営を確保しつつ、国民生活の安定向上や国民経済の発展に寄与するために住宅宿泊事業法が制定されました。つまり、旅館業法の簡易版です。
民泊新法とは?安全な民泊事業のための基礎知識について
民泊新法(正式には住宅宿泊事業法)は、2018年に施行されました。上記の制定経緯から、民泊事業を行うにあたってのルールを定めており、安全かつ適正な民泊サービスの提供を目指しています。具体的には、民泊を始める前に自治体への申請が必須となり、最大で年間180日までの営業が認められています。申請手続きは複雑であるため、多くの事業者が行政書士への申請代行サービスを利用しています。この法律のもと、消防法や建築基準法など他の法律との整合性も重要視されており、事業者は適切な設備や安全対策を整える必要があります。民泊新法の理解と適切な手続きを踏むことで、安心して民泊事業を展開することが可能になります。
年間180日の算定方法は、毎年4月1日正午~翌年4月1日正午までの宿泊者数となり、正午から翌日の正午までの期間を1日としてカウントします。
合法民泊への道:違法民泊のリスクと正しい対策について
違法民泊は多大なリスクを伴います。罰金や営業停止など、法的な制裁に加え、信頼の失墜も避けられません。合法的な民泊運営には、住宅宿泊事業法に基づく手続きが不可欠です。まず、自治体への届出が必要で、その際、消防法や建築基準法に適合していることを証明する書類を提出します。行政書士の申請代行サービスを利用すれば、複雑な手続きをスムーズに進めることができ、適法な民泊運営への道が開けます。適正な運営を心掛け、ゲストに安全で快適な宿泊体験を提供しましょう。
住宅宿泊事業法と旅館業法との比較について
主な項目で比較表を作成しました。
住宅宿泊事業法 | 旅館業法(簡易宿所) | |
---|---|---|
日数制限 | 年間180日以内 | なし |
客室床面積 | 3.3㎡×宿泊者以上 | 33㎡以上(10人未満は左記と同様) |
手続き | 届出 | 許可 |
住民トラブル防止の義務 | ・苦情対応 ・標識掲示 ・ゲストへの説明 | なし |
衛生措置 | 定期的な清掃等 | 換気・採光・照明・防湿・清掃等 |
管理者の条件 | 国土交通省に登録された管理業者 | なし |
以上のように、住宅宿泊事業法と旅館業法では要件や義務が異なっています。ご自身の民泊事業に最適な方法を選択しましょう。なお、大阪府などの国家戦略特区には特区民泊という別の方法もあります。
住宅宿泊事業法による民泊の要件について
住宅宿泊事業法での民泊には、要件という条件があります。
住宅宿泊事業法の施設の要件について
旅館業法上で規定されていた「旅館営業」「ホテル営業」「簡易宿所営業」「下宿」のいずれにもあてはまらない事業が対象です。具体的には、住宅を1日単位で宿泊料を得て年間180日を超えない範囲で反復継続して行う営業行為のことです。
用途について
建物の用途を「住宅」のままで事業を行います。
下記のいずれかに該当することが必要です。
- 民泊物件が住民票上の住所となっていること(家主居住型)
- 入居者の募集が行われていること(家主非居住型)
- 所有者・賃借人・転借人のいずれが年1回以上利用していること(家主非居住型)
マンションなどの共同住宅は、管理規約で民泊不可となっていることが多いので、注意が必要です。また、管理規約に規定されていない場合は管理組合の同意が必要なのでハードルが高いです。
面積について
居室の床面積を宿泊者1人あたり3.3㎡以上確保しなければなりません。
壁の内側で測られた建物の面積である「内寸面積」により算定します。
住宅宿泊事業法の事業者の要件について
住宅宿泊事業法第4条により、下記に該当する事業者は民泊事業ができません。
- 成年被後見人や被保佐人
- 破産者
- 事業廃止を命じられ、3年を経っていないもの
- 刑罰等の執行後、3年を経っていないもの
- 暴力団員等
- 未成年者で法定代理人が上記のいずれかに該当するもの
- 法人で、役員が上記のいずれかに該当するもの
- 暴力団員等が実質的に運営するもの
住宅宿泊事業法の営業形態の要件について
家主同居型と家主不在型とで、課せられる義務が異なっています。
副業で民泊事業をする場合、ほとんどが家主非居住型です。
家主同居型について
宿泊客がいる間に不在となる場合は、住宅宿泊管理業者に委託しなければならない。
原則1時間~2時間程度までの不在は、住宅宿泊管理業者に委託しなくてもよい。
6室以上の場合は、住宅宿泊管理業者に委託が必要です。
家主不在型について
以下のことが必要です。
- 住宅宿泊事業管理業者に委託すること
- 非常用照明器具を設置すること
- 自動火災報知設備を設置すること
- 避難経路の表示をすること
住宅宿泊事業法の義務について
以下のような義務があります。
- 騒音防止
- ゴミの処理の配慮(産業廃棄物となる)
- 火災防止
- 外国人宿泊客には外国語による説明
- 周辺地域の住民からの苦情や問い合わせに適切・迅速に対応
- 深夜早朝を問わず対応
- 設備や備品等を清潔に保ち、ダニやカビなどが発生しないよう除湿を心がけ、定期的に清掃・換気等を行う
- 寝具のシーツ・カバー等の直接人に接触するものについては、宿泊客が入れ替わるごとに洗濯したものと取り替える
- 宿泊名簿を3年間保存する
- 標識の掲示
- 都道府県知事への定期報告
上記は一例のため、必ず都道府県ごとのルールについて確認してください。
住宅宿泊事業法による民泊の申請手続きについて
住宅宿泊事業法に基づく民泊の申請手続きは、複雑です。まず、必要なのは「住宅宿泊事業届出書」の提出です。この書類には、運営者の情報や物件の詳細、運営計画が含まれます。また、消防法に基づく安全対策の確認も求められるため、事前に消防署への相談が必要になります。さらに、地域によっては条例で追加の条件が設けられている場合があるため、届出を行う自治体の規定も確認しましょう。行政書士の申請代行サービスを利用することで、これらのプロセスを効率的に進めることが可能です。行政書士は、申請に必要な書類の準備から自治体への提出までをサポートしてくれます。民泊を始める際は、これらの手続きを正確に行い、快適な宿泊環境の提供を目指しましょう。
住宅宿泊事業法に基づく届出の手順について
住宅宿泊事業法に基づく届出は、民泊を始める際の必須手続きです。まず、自治体によって異なる届出書類を確認し、必要な書類を集めましょう。多くの場合、住宅の平面図や運営管理規定などが求められます。次に、消防法に基づく安全対策が施されているかの確認が必要となり、適切な設備が整っているか自治体の指導を受けながら進めていきます。書類が揃ったら、行政書士の申請代行サービスを利用する or 自ら自治体に提出します。行政書士の申請代行サービスを使えば、複雑な手続きをスムーズに進めることができ、時間と労力を節約できるでしょう。届出後は、審査を経て許可証が交付され、ようやく民泊としての営業が可能となります。この過程を踏まえ、法律や条例の最新情報を常にチェックし、適法に運営していくことが重要です。
- 事前相談(行政書士の代行可能)
- 地方自治体により細かなルールが異なっているので、民泊をしたい所在地を管轄する保健所等に確認しておきましょう。
- 要件の確認&工事(行政書士の代行可能)
- 法律・施行規則・省令・ガイドライン・条例を前提に事前相談で明らかとなった条件をクリアするように体制の構築や工事など申請の準備をしていきます。
- 安全確保措置状況のチェックと周辺住民等への事前周知(行政書士の代行可能)
- 近隣住民へ必要な項目を事前に周知する。
- 消防検査と適合通知書の交付(行政書士の代行可能)
- 消防署の検査を経て、消防法適合通知書の交付を受ける。
- 必要書類の収集(行政書士の代行可能)
- 届出書類に添付する書類を集めます。必要書類は後述。
- 届出書の作成&提出(行政書士の代行可能)
- 届出書などを作成して、添付書類と共に提出します。
- 通知書の受領&営業開始
- 7日~10日程度で通知書が発行されます。法律で定められた標識を掲示し、営業を開始します。
住宅宿泊事業法で必要な書類について
地方自治体により異なりますので、下記は一例です。
- 住宅宿泊事業届出書 第一号様式(第一面)
- 住宅宿泊事業届出書 第一号様式(第二面)
- 住宅宿泊事業届出書 第一号様式(第三面)
- 住宅宿泊事業届出書 第一号様式(第四面)
- 住宅宿泊事業届出書 第一号様式(第五面)
- 不動産登記事項証明書(法務局)
- 図面
- 登記されていないことの証明書(法務局)
- 身分証明書(本籍地の市役所)
- 誓約書
法人の場合の追加資料
- 法人登記事項証明書(法務局)
- 定款
賃貸物件の場合の追加資料
- 転貸等の承諾書
分譲住宅等の場合の追加資料
- 規約の写し
- 管理組合の確認書(規約に民泊の定めがないとき)
住宅宿泊管理業者に委託する場合の追加資料
- 管理受託契約の締結時の書面
契約書には、①商号・名称・氏名、②登録年月日・登録番号、③対象となる届出住宅、④管理業務の内容・実施方法、⑤報酬・支払時期・方法、⑥住宅宿泊事業者負担の費用、⑦管理業務の再委託、⑧責任・免責、⑨契約期間、⑩契約の更新・解除などが記載されているか確認しましょう。
住宅宿泊事業法の消防法令適合通知書の提出義務について
民泊を運営する際、住宅宿泊事業法に基づく手続きは避けて通れません。特に、消防法令適合通知書の提出はその重要な一環です。この通知書は、宿泊施設が消防法の基準を満たしていることを証明するもので、安全な環境を提供するために不可欠です。行政書士の申請代行サービスを利用することで、手続きの煩雑さを軽減し、スムーズに業務を進めることが可能になります。行政書士の申請代行サービスは、書類の準備から提出まで一貫してサポートしてくれるため、民泊運営者は安心して業務に専念できるでしょう。消防法令適合通知書の提出は、民泊事業を成功させるために避けては通れない道です。
民泊開始後の注意事項について
住宅宿泊事業の届出を終えると、様々な義務が発生します。
民泊の運営上の義務について
以下のような義務があります。
- 標識の掲示
- 衛生の確保
- 宿泊名簿の備え付け
- 外国人観光客である宿泊者の快適性と利便性の確保
- 周辺住民への対応
宿泊名簿は、①氏名・住所・年齢・性別・職業・電話番号、②到着年月日時と出発年月日時、③前宿泊地と行き先、④訪日外国人であるときは、国籍・旅券番号を記載する必要があります。
変更事項の届出の義務について
下記に変更があった場合は30日以内に届出が必要です。
- 商号・名称、氏名、住所
- 法人の役員
- 未成年者の法定代理人
- 営業所や事務所の名称・所在地
- 住宅宿泊管理業者の登録番号
- 届出住宅の詳細
- 個人事業主としての運営で代表が死亡したとき(相続人が届出)
- 法人が合併により、消滅したとき(代表者が届出)
- 法人で破産したとき(破産管財人が届出)
- 法人で解散したとき(清算人が届出)
- 事業を廃止するとき(代表者が届出)
下記を変更する場合は事前に届出が必要です。
- 委託している住宅宿泊管理業者
行政書士による民泊の手続き代行サポートサービスについて
住宅宿泊事業法に基づく手続きは、民泊を始める上で欠かせない重要なステップです。この法律の下で、民泊を運営するためには、自治体への申請が必要となります。しかし、多くの方がこの複雑な手続きに戸惑い、時間を失ってしまうことがあります。そこで役立つのが行政書士によるサポートサービスです。行政書士は、申請代行をはじめ、必要な書類の作成や提出方法のアドバイスなど、民泊事業をスムーズに始められるよう全面的にサポートしてくれます。特に、住宅宿泊事業法に詳しい行政書士を選ぶことで、法律の変更点や注意点を正確に把握し、適切な手続きを進めることが可能になります。民泊事業の成功は、正しい手続きから始まります。専門家のサポートを得て、安心して民泊事業を展開しましょう。
民泊の手続きはクロスターミナル行政書士事務所まで
補助金や融資などの資金調達に強い行政書士があなたの民泊の手続きをサポートいたします。民泊の手続きだけではなく、またその後の民泊の運営に関する手続きだけではなく、起業・運営に際して必要な資金調達をサポートできることがクロスターミナル行政書士事務所の売りです。
また、もと公務員(大阪市)であり、個人情報保護士を取得していることから、安心して依頼ができるという声が多いことも特徴です。もし、よろしければGoogleマップの評価もご確認ください。
また、デザインや広告にも知見があるので、運営後のことも幅広くご相談に乗れますので、遠慮せずに頼ってください!
住宅宿泊事業法による民泊のサポート料金について
家主同居型:税込132,000円~
家主不在型:税込187,000円~
事前調査:税込55,000円~
正式なご依頼前には、要件を満たしているかなどを確認する事前調査が必要です。
注意事項について
- 図面作成や避難経路図作成は別途料金が必要です。
- 登記事項証明書等の添付書類の取得代行は実費が必要です。
- 対応地域は原則、大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山の近畿地方です。場合によって、交通費・宿泊費の実費を頂戴することがあります。
お問い合わせ方法について
お問い合わせフォームまたはLINE、チャットワークでご連絡ください。
最後に
事業を始めることは不安だと思います。私も公務員を退職して、行政書士を始めるときは不安でした。行政書士にも登録の手続きがあり、手続きが煩雑で苦労しました。また事業が上手く軌道に乗るかもわかりません。今は行政書士として手続きのプロでありますが、起業当初の不安を忘れたことがないので、寄り添ったサポートを心がけています。ぜひ、民泊事業のスタートにクロスターミナル行政書士事務所の下井をご活用いただければ幸いです。
大阪市の本町を拠点に活動する、もと公務員の行政書士
クロスターミナル行政書士事務所:下井 康太