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遺言書の種類を徹底解説!大阪の行政書士が教える手続きと書き方のポイント

はじめに

遺言は、財産の分配や相続について自分の意思を明確にするための重要な手段です。遺言を作成することで、家族間のトラブルを未然に防ぎ、自分の希望を確実に実現できます。しかし、遺言にも種類があり、手続きに不備があると無効になることもありえます。この記事では、遺言の種類ごとの特徴や具体的な手続きについて、行政書士の視点から分かりやすく解説します。

私は遺言書は自分自身のものというよりか、家族にとって円滑な相続をするための、家族に対しての思いやりだと考えています。どんな分け方をして欲しいかも重要ですが、どんな財産があるかがもっと重要です。相続時の財産調査の目星にもなるので、家族のために遺言を作成してみませんか?

遺言とは?基本的な役割と必要性

遺言とは、財産分配や相続に関する意思を明確に示すための文書です。特に次のような状況で大きな役割を果たします。

  • 財産の配分に特定の希望がある場合(例:長男を優遇させるなど)
  • 相続人間のトラブルを防ぎたい場合
  • 法定相続では対応できない特定の事情がある場合(例:寄付をしたい場合など)

遺言を作成しておくことで、家族が安心して手続きに臨める環境を整えることができます。

遺言の種類と特徴

自筆証書遺言

1番手軽なもので、ドラマや映画などでよく出てくる遺言は「自筆証書遺言」です。

特徴

遺言者が全文を手書きする形式で、日付・署名・押印が必要です。相続時には封を開ける前に家庭裁判所で検認という手続きが必要になります。

財産目録については2019年からPCでも作成が可能になりました。

メリット

  • 直筆で遺言が残せる
  • 家族へのメッセージを納得いく文量で残せる
  • 気軽に遺言書を書き直しができる

デメリット

  • 遺言作成時に認知症であったかどうか、遺言が有効に成立するかのトラブルに繋がりやすい
  • 無理やり誰かが遺言書を書かせたなどのトラブルにも繋がりやすい
  • 直筆でないといけないので、文字が書けないと遺言書を作成できない
  • 亡くなったときに遺言書を家族が見つけてくれるか分からない

法務局での保管制度について

2020年7月10日より、自筆証書遺言を法務局で保管してくれる制度が始まりました。これにより、亡くなったときに遺言書を家族が見つけてくれるか分からないという自筆証書遺言のデメリットを補うことができます。

詳しくは、法務省のホームページでご確認ください。

公正証書遺言

1番モメにくい遺言書の種類です。その安全性からも行政書士や弁護士などの相続のプロである専門家もだいたいは公正証書遺言をオススメすることが多いです。

作成手続きについて

遺言者の意思を公証人が聞き取り、公証人が遺言書を作成します。行政書士や弁護士などの相続の専門家が入る場合は、みなさんと公証人の間を持ち、みなさんのやり取りを代行します。必要書類の収集も専門家がサポートする場合が多いです。

専門家を通さない場合は、必要書類を集めて、記載内容を自分で整理して、公証役場に事前連絡のうえ、公証役場で手続きをしていきます。

公証人の費用

公証人の手数料は公証人手数料令という政令で決まっております。

相続人・受遺者ごとに財産の金額を算出して、下記の表から手数料を算定して、最後に合算します。また、全体の財産が1億円以下のときは11,000円が加算されます。これらの他に、正本や謄本にかかる費用が必要になります。

例えば、妻に300万円、長男に75万円、長女に75万円の場合は、11,000円+5,000円+5,000円+11,000円の合計32,000円になります。

金額手数料
100万円以下5,000円
200万円以下7,000円
500万円以下11,000円
1,000万円以下17,000円
3,000万円以下23,000円
5,000万円以下29,000円
1億円以下43,000円

1億円以上も手数料が定められていますので、ご注意ください。該当者が少ないため上記の表からは省略します。

公正証書遺言は基本的に公証役場で行いますが、出張対応ですることもできます。ただし、手数料が1.5倍になるうえ、公証人の日当と交通費が加算されます。

メリット

  • 遺言者の意思を公証人が確認するので、認知症であったかどうかのトラブルが起きにくい
  • 遺言書が公証役場に保管されるので、行政書士などの専門家が相続手続きを行う場合は公証役場に公正証書遺言の照会をするので、見つけられる
  • 公証人のチェックがあるので、安心感がある

デメリット

  • 公証人が作成するので家族へのメッセージを思いのたけ書くことができない
  • 費用がかかる
  • 書き直しの度に費用がかかる

秘密証書遺言

あまり使われない遺言書の形式なので、省略します。

遺言書作成の具体的な手続き

死後にトラブルが起きないように相続人にある程度は配慮した遺言書を作成することをオススメします。そのためには遺言書を書く前の準備が重要です。

作成前の準備

相続人の確定

まずは市役所でご自身の出生から死亡までの戸籍謄本を収集しましょう。配偶者、子などの記載があるかと思います。相続人を確定させましょう。

次に戸籍を基に家系図を作成しましょう。誰が相続人なのか、誰が相続のときにどのくらい権利を持っているのかを把握しましょう。

戸籍抄本ではなく、戸籍謄本を取得してください。謄本は全員記載され、抄本は自分のみの記載になりますのでご注意ください。

ご依頼をいただければ、戸籍の収集や家系図の作成を行政書士が代理することも可能です。

財産のリストアップ

不動産を持っている場合は法務局で登記事項証明書(登記簿)を取得しましょう。また、市役所から届く固定資産税決定通知書も用意しましょう。

預貯金は各金融機関で残高証明書を発行してもらいましょう。通帳でも大丈夫ですが、どうしても残高と口座情報が別ページに記載されるので、残高証明書をオススメしましょう。

株についても株主総会の連絡など配当金の通知書などがあれば、用意しましょう。

借金については信用情報を取得しましょう。クレジットカードやローンや消費者金融の場合は信用情報に記載されているかと思いますが、個人的な貸し借りについては記載されていません。なので、借用証書や金銭貸借契約書があれば用意しましょう。

特に財産調査は相続の手続きで完全に網羅できない可能性がありますので、なるべくリストアップしておいてください。あなたのリストアップが円滑で確実な相続手続きに繋がります。

財産調査が終われば、財産目録(リスト)を作成しましょう。

ご依頼をいただければ、財産調査や財産目録の作成を行政書士が代理することも可能です。

遺言内容の明確化

誰に何をどのくらい渡すのかを決めましょう。

そのときに下記のことについて注意しながら決めていきましょう。

  • 遺留分を侵害していないか
  • 相続人以外に渡したい場合は相続人に配慮した金額、内容になっているか
  • 不動産と現預金のバランスを取れているか
  • 相続税を払えるような分配になっているか
  • 遺産執行人を誰にするのか
遺留分とは

相続人が最低限の相続財産を請求できる権利です。つまり絶対的防衛ラインのことです。最低限の割合を下回っていたら足りない分を請求することができます。

相続人遺留分法定相続分遺留分割合
配偶者のみ1/2全て1/2
子どものみ1/2全て1/2
配偶者と子ども1/2それぞれ1/2それぞれ1/4
配偶者と親
配偶者と祖父母
1/2配偶者2/3
親・祖父母1/3
配偶者1/3
親・祖父母1/6

祖父母
1/3全て1/3

子どもに兄弟姉妹がいる場合はその数で更に割ります。

兄弟姉妹には遺留分がありません。

ご依頼をいただければ、行政書士が亡くなってからトラブルが起きにくいような配分のアドバイスをすることも可能です。

遺言書で書く内容

下記の内容を中心に書いていきます。

相続について

  • 誰に財産をどのくらい相続させるのか
  • 法定相続人以外の人にも遺贈(渡す)するのか
  • 法定相続分とは異なる割合にするのか
  • 相続させたくない人はいるのか

財産について

  • 寄付するのか
  • 一定期間、遺産分割協議を禁止するのか
  • 生命保険の受取人を変更するのか

相続人について

  • 認知する子どもがいるのか
  • 後見人に指名したい人はいるのか

遺言執行者について

  • 誰を遺言執行者にするのか

ご依頼をいただければ、行政書士がメリット・デメリットを伝えて、一緒に考えていくことが可能です。

遺言書作成の注意点

遺言書は円滑な相続を進めていくためのものであり、家族に自分の意志を伝えるためのものです。ただし、家族に配慮されてある遺言書、バランスが取れている遺言書でないと亡くなってからトラブルになり、相続が争族になる可能性も充分にあります。

無効にならないためのポイント

  • 自筆証書遺言の場合、全部手書きであるか
  • 自筆証書遺言の場合、複数ページに渡る場合は契印があるか

相続トラブルを避けるための配慮

  • 相続人以外に分配する場合は、相続人に配慮した内容・金額になっているか
  • 特定の相続人に偏りすぎていないか
  • 遺留分を侵害する分配になっていないか
  • 自筆証書遺言の場合、認知度でないか無理に書かされたものでないか分かるような記録を残せているか(例えば、動画メッセージなど)

定期的な内容の見直し

相続人や受遺者の関係は時間が経てば少しは変わると思います。今の状況が反映されていない場合は書き直ししたほうがいい場面もあります。

また、財産の内容が大きく変わる場合も書き直しをオススメします。

よくある質問(FAQ)

自筆証書遺言はどんな紙に書いても大丈夫?

紙の種類は不問です。ただ、複数ページにまたがる場合は契印を忘れずにしましょう。なお、保管を考えるとある程度耐久性に耐えられる紙をオススメします。記入する際はボールペンなどの消えないペンを使用してくださいね。

遺言を作成するベストなタイミングは?

認知症になる前までです。認知症になると何もできなくなります。なので余力があるうちに遺言書を作成しておきましょう。ちなみに若くても遺言書があったほうがいい人は、会社経営者です。特に株式の分配をどうするのか定めておいたほうが良いです。

残高に変動があった場合も遺言書は書き直しが必要か?

基本的には不要です。遺言書にも残高は明記せずに、金融機関名、支店名、口座の種類、口座番号のみにとどめておきましょう。

行政書士などの専門家に依頼するメリット

遺言書のサポートをする専門家は行政書士・司法書士・弁護士がいます。それぞれ得意分野が異なりますので、自分に合った専門家に相談してみてください。

専門知識を活かした適切なサポート

上記の行政書士・司法書士・弁護士は相続を含んでいる民法について知見がある専門家です。

行政書士に遺言書のサポートを依頼すると

比較的安価であり、相続後の預貯金の分配などに長けています。

司法書士に遺言書のサポートを依頼すると

もし認知症になった場合に後見人を引き受けてくれる可能性が高いです。

弁護士に遺言書のサポートを依頼すると

費用は高くなりがちですが、相続時にトラブルになった場合でも間に入り、話をまとめることができます。トラブルになっても意向になるべく沿った分配をしてくれる可能性が1番高いです。

手続きの効率化と安心感

上記のどの専門家でも知識があり、事例やノウハウがあります。この記事でお伝えしていることは最低限のことですので、ご自身で遺言・相続について勉強することはとても大変です。

なので、時間や精神的なストレスを考えると、一度専門家に相談するほうが安心できるかと思います。

トラブル防止のアドバイス

どの専門家を選ぶにしても、あなたが信頼できる専門家を選んでください。トラブルを防止するためには、みなさんの自己開示が必要です。心の中をさらけ出してもらい、適切なバランスで遺言を残すことが最大のミッションになります。

例えば、ホームページをいくつか見てみるとか、SNSなどでどんな人かチェックしてみるとか、その専門家と相性が合うのかどうかはある程度は掴めるはずです。

みなさんが安心して託せる専門家に相談しましょう!

遺言書のサポートはクロスターミナル行政書士事務所まで

代表行政書士の下井は1992年生まれのため、行政書士の中ではかなり若い世代になります。そのため、依頼者のみなさんから話しやすいと言われることが多いです。僕自身も行政書士という士業の堅苦しいイメージをどうにかしたい、大阪一ハードルの低い行政書士を心掛けています。

資格面では、個人情報保護士ファイナンシャルプランナーも取得していますので、個人情報の取り扱いやお金面の相談もお任せください。

またSNSもみなさんが見れるようにしていますので、問い合わせる際にはそちらもご参考にしていただければ幸いです。

遺言や相続は不安が多いかと思います。もし僕で良ければ寄り添いながらサポートさせていただけませんか?みなさんのお力になりたいです!

当事務所の遺言書手続きの料金について

自筆証書遺言:55,000円~(税込み)

公正証書遺言:88,000円~(税込み)

※基本的には上記の価格でしていますが、内容や難易度、お急ぎかどうかによって料金が異なりますので、その旨をご了承ください。

いきなり業務の依頼は不安があると思うので、まずは下記の相談からお願いします!安価な金額にしていますので、是非ともご活用ください。

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