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大阪の行政書士が解説!契約書を作成せずに業務委託した場合の影響について

業務を受任するときに契約書を作成せずに口約束でしていませんか? 現在はフリーランス新法の規定もあり、書面で条件を提示しなければならないルールになっています。また、契約書を作成する側に有利になるケースが多いので発注側に用意される前に契約書を提示しましょう。今回は契約書の必要性について大阪の行政書士が解説します。

契約書を作成しない場合のリスク

以下のようなリスクが考えられます。

未払いが起こったときに回収が困難である

未払いが起こった際には、電話やメール等での督促をして、それでも入金がなかったら、内容証明郵便を出してプレッシャーを与えることが一般的かと思います。

それでもダメな場合は、最終手段の法的措置になりますが、現実問題、法的措置にはなかなか踏み込めないですよね。時間もかかるし、訴訟費用もかかるし、弁護士報酬もかかるし。

内容証明郵便や法的措置に踏み込むときには、契約の事実を確認する必要があります。私は行政書士なので法的措置についてはサポートできませんが、内容証明郵便についてはサポート可能なので、契約が本当にあったのか、未払いになっているのかを確認します。

一般的に事務の流れとしては、見積→契約→納品→検収→請求→支払となるかと思います。例えば、未払いと言っているが、請求するフェーズに到達していたのかなどを確認していきます。行政書士などの専門家は内容証明郵便を送るには、本当に送っていいのかを検証していく必要があります。

一般的に契約書には、事務の流れが記載しているかと思うので、契約書を確認し、納品書や請求書、通帳記録などを照合して精査していきます。その上で、内容証明郵便の文章を作成します。

内容証明郵便でもここまで確認する必要があるので、法的措置になるともっと大変です。訴える側が立証する必要があるので、記録の残っているもので証明する必要があります。

たしかに契約は民法上、口約束でも可能ですが、トラブルが起こってしまった際に、言った・言わないになるので必ず書面で何かしら残しておくべきです。オススメは契約書で、自分も相手も内容を理解して同意していることがわかるようにすることです。

また、内容証明郵便も法的措置も相手の住所の情報が必要です。法人なら履歴事項全部証明書で簡単に調べられますが、個人事業主は調べる方法がないので、契約書を交わさない場合でも住所だけは押さえておきましょう。

業務がいつまで経っても終わらない

これはやる、これはやらないと言った線引きが必要です。契約書があれば、業務の内容として業務範囲を特定しているかと思います。

契約書があったときでも、トラブルが多い部分かと思います。

その契約書なしで、何かしらの書面での取り決めもなしで、口頭だけで業務の範囲を決めてしまうと、言った・言わない論争になり、納品しても業務完了とならない場合があります。

私自身も業務の範囲の特定は苦労しますが、これをなるべく細かくしておかなければトラブルになりやすいです。どうしても細かすぎる場合は、「記載ない事項については、その都度協議する」などの文言を入れます。

未払いよりも、永久に業務を完了できないこちらのほうが精神的にもしんどいので、この観点から契約書を作成しておいたほうがいいと思います。業務範囲を特定しなければ、業務範囲の交渉の連続にもなるので。

フリーランス新法の違反に

契約書なり、条件を書面で提示しない場合は、基本的に発注側が違反になります。

フリーランス新法は従業員がいる発注者から従業員がいない相手先に発注する場合に適用されます。2024年11月1日から始まった制度で、遵守しなければ罰則もあります。

これを読んでいる方、受任者側なので関係ないと思っていませんか?

発注者側に敷かれたルールなので、発注者側は法律違反しないようにします。特にコンプライアンスにうるさい世の中なので尚更のこと。

なので発注者側が用意してくる可能性も十分に考えられます。基本的に契約書は作成する側に有利で、作成をお願いする側は不利な内容になっているケースも多いです。

そして作成よりもレビュー(確認)のほうが遥かに難しく、様々な罠があるものです。

結論、作ってもらうより作ったほうが自分を守れるし、楽なのです!

こんな風に契約書を作成していたらマズいこと3選

以下のようなリスクがあるかも

契約書の作成を取引先にお願いしていませんか?

基本的には契約書は作成した側が有利になります。そりゃ自分が不利になるような契約書は作らないですよね?

また、契約書はたいてい難しく書いてあります。それを自分でレビュー(確認)するのは大変です。行政書士などの専門家も作成よりもレビューのほうが負担感があります。

レビュー→フィードバック→取引先に訂正依頼 or 質問→再レビューとなると、取引先の印象も下がってしまいます。理解がある取引先だと逆に好印象にはなります。そこまで注意を払っている=丁寧な仕事をするのではと。残念ながらそんないい印象ばかり持ってくれる会社は多くないです。

そのため、自分で契約書を作成して提案したほうが断然いいのです。ただし、雑な契約書を提示すると不信感が出てくるので、ある程度のものを提案する必要があります。

契約書をテンプレートで作成していませんか?

契約は統一的なものではありません。そのため、テンプレートの契約書を活用していると、実情と沿わない部分が少なくありません。

できないことをできる、しなくてもいいことまでするなど様々なことが起きます。

同じ業務委託でも取引先によって条件や手順など異なっていませんか?何かしら違うことありますよね?

契約書に反映できていますか?

できていないですよね。契約違反になっている場合も余分な仕事をしてしまっている場合もあります。

契約書のテンプレートは、法律を知っている方のためのたたき台にしか過ぎないのです。オールマイティーな契約書は存在しません。もちろん存在はしますが、穴がありすぎて何かある度に協議だらけの契約書になっていることが多いです。オールマイティーにするには、極力内容を定めないという風にしないとできないので。

適当な契約書だと、取引先の信用も下がってしまいます。もしかしたら失注する可能性もあります。特に取引先に顧問弁護士や法務部があるような場合だと、契約書の内容について質問を受ける場合があるかと思います。その際に、答えられますか?答えられないですよね?

自分が理解した状態で契約書を提示することをオススメします。

収入印紙を貼り付けていますか?

書面で契約書を交わす場合は、正副ともに収入印紙が必要です。

基本的には収入印紙代は各々で負担することが多いです。しかし、私が補助金申請業務を通して発注先との契約書を見せてもらうことが多いのですが、収入印紙が貼り付けていないことがあります。

収入印紙を貼り付けていないと、印紙税法違反になります。

契約書としての効力には影響ありませんが、税務署から指摘や罰則を受けたりすることがあります。

私は収入印紙代を節約したい、書類を郵送でやり取りする時間がもったいないので電子契約にしています。電子契約にすることで、収入印紙が不要になります。

収入印紙を貼り付けたくない場合は、電子契約に移行しましょう。

収入印紙の金額

よくある請負(業務委託)の場合について紹介します。その他は国税庁のホームページにてご確認ください。

契約金額収入印紙
1万円未満非課税(不要)
1万円以上100万円以下200円
100万円を超え200万円以下400円
200万円を超え300万円以下1,000円
300万円を超え500万円以下2,000円
500万円を超え1,000万円以下10,000円
1,000万円超自分で調べてください
契約金額の記載のないもの200円

契約書だけではなく、その後に契約変更をした場合の覚書などでも収入印紙の貼り付けが必要です。どの場合に収入印紙が必要か迷う場合は電子契約に切り替えたほうが楽です。

契約書で特に気を付けなければならない内容

以下のことは最低減、気を付けたほうがいいです。

業務の範囲について

業務の範囲は特定されていますか?

口約束だと、言った言わないのトラブルになることが多い部分になります。

この料金でできる内容について、なるべく網羅しておきましょう。可能ならばできない業務などについても列挙しておくことをオススメします。この料金ではできないけど、オプションで対応可能な内容については、それも列挙しておくと親切な印象を与えますし、トラブルを未然に防ぐことができます。

業務を特定しておかないと、一向に業務が完了できずに、なかなか売上に計上できないことも起きえます。

細かく特定できない場合は、記載ない事項についてはその都度協議する旨を記載しておきましょう。ただ、協議ばかりにすると、心理的にしんどいかと思います。協議=交渉なので。また追加料金をどうするのか、この金額内に含めるのかもありますし。

どの状態が納品(役務提供)になるのかをきっちり記載しておきましょう。

私も前金でいただく場合も多いですが、会計上、前金を請求(受領)した時点では、売上にはならず前受金として借方(負債)として計上します。その後、納品(役務提供)が完了した時点で前受金を売上に振替します。

トラブルの防止にも、会計ルールの遵守にもなりますので、業務の範囲の特定はしておきましょう。

検収について

検収(検品・検査)が契約書上で定められている場合があります。基本的には定めたほうがいい事項になります。

基本的には事務の流れとしては、見積→契約→納品(実施)→検収(検品・検査)→請求→支払という順番になります。

検収(検品・検査)の定義がされていない場合やいつまでに行うのかが定められていない場合がよくあります。

このような状態だと、一向に請求ができません。請求したとしても、未払いになることも少なくありません。相手にとっては、まだ業務が完了していない状態になるので。

検収(検品・検査)の期間が定められていても、期間を超過した場合にどう扱うのかまで網羅されていないことがあります。期間を超過した場合には、検収(検品・検査)をしたものとみなすというような内容を記載しておきましょう。

未払いのリスクを避けるためにも、検収(検品・検査)の期間やその内容、期間が超過した場合の対応についても記載しておきましょう。

専属的合意管轄について

裁判は基本的には訴えられる側の管轄の裁判所で行われます。

つまり、訴えるときには相手方の最寄りの裁判所に出向かなければなりません。

そこで、専属的合意管轄というものを定める場合があります。

専属的合意管轄を定めておけば、訴えるときにそこの裁判所で裁判できます。わざわざ相手方の最寄りの裁判所に行かなくてもいいのです。

お互いに近場なら定めなくても問題ありませんが、自分が大阪で相手が東京のような場合は定められることが多いです。近場でも相手が他府県に移転する可能性があるので、私は基本的には専属的合意管轄を定めるようにしてあります。

専属的合意管轄を定める側には圧倒的に有利になります。定めないよりかは、出向かなくてよくなるので容易に裁判できるようになるので。専属的合意管轄は強力な条項かと私は思います。

私自身も相手側が契約書を作成した場合で、専属的合意管轄が相手の最寄りの裁判所になっている場合は交渉して外してもらうこともあります。基本的には柔軟に対応してもらえるかと思います。私も交渉があれば、専属的合意管轄をなしにする場合もあります。それくらい強力なものなのです。

相手方にとって裁判のハードルが低くなるので、専属的合意管轄は必ず意識しておきましょう。

自分での契約書作成・レビューはかなり難しいです

トラブルを未然に防ぐために契約書があります。契約は民法上は口約束でも成立しますが、言った言わない論争になり、裁判時には証拠を出していく必要があります。その際の証拠に契約書はなりえますので、契約書はとても大事な書類です。

また契約書を締結するのは、ビジネスのマナーだと私は考えています。どんな状態にどうなるのか、それを予め伝えるという意味で、相手への思いやりだと思います。

相手によっては契約書がない=ビジネス戦闘力がないという認識も与えかねないので、信用を失わないためにも契約書を作成しましょう。ただ、テンプレートをそのまま活用すると薄い内容になったり、実情とそぐわない内容になったりします。そうなると、逆に契約書があっても相手の信頼感が薄くなってしまうこともあります。

なので、契約書について勉強しなければなりません。そしてテンプレートを活用する場合は実態に合わせてアレンジしていく必要があります。

そのため、法的知識が必要なので、慣れるまでは行政書士などの専門家の活用をオススメします。

契約書の作成はクロスターミナル行政書士事務所まで

当事務所は契約書の作成やレビューについて実績があります。個人事業主から会社まで幅広い業種・業態・規模を問わず、サポートしています。

補助金申請のなかで、補助対象経費の契約書をたくさん見てきました。その中には、よくこれで契約したな~という内容のものも少なくありません。僕自身も深く読み込まずに契約書にサインしてしまって、あとあとことが起きた時に「やっちまったな」ということもあります。プロでも期待が高まっている状態でも見えなくなります。なので、客観的な視点を持つ第三者に契約書の作成やレビューを依頼してみては、いかがでしょうか?

代表行政書士の下井は1992年生まれのため、行政書士の中ではかなり若い世代になります。そのため、依頼者のみなさんから話しやすいと言われることが多いです。僕自身も行政書士という士業の堅苦しいイメージをどうにかしたい、大阪一ハードルの低い行政書士を心掛けています。

また、公務員をやっていたときは契約事務にも従事しておりました。役所の契約書はすごく網羅されており、役所に圧倒的に有利な内容になっています。もうちょっとパワーバランスを考えようよと思いましたが、皆さんの税金で運営している以上、役所が損しないような内容になっても仕方ないのかなとも思いました。

本来、契約書は対等にするべきではありますが、どうしても作成側に有利になります。なので、契約書は相手が作成する前にこちらが作成して提案するほうが断然いいのです。私は皆さんの要望や相手方の規模等を見て、パワーバランスを取れるようにほぼオーダーメイドで対応しています。

またSNSもみなさんが見れるようにしていますので、問い合わせる際にはそちらもご参考にしていただければ幸いです。

契約は不安が多いかと思います。もし僕で良ければ寄り添いながらサポートさせていただけませんか?みなさんのお力になりたいです!

当事務所の契約書業務の料金について

契約書の作成:5万円~

契約書の確認:3万円~

※内容や難易度によって料金が異なりますので、その旨をご了承ください。
反復継続性がある場合やテンプレートとして使用される場合、高額な取引の場合などは、10万円超になることがあります。

いきなり業務の依頼は不安があると思うので、まずは下記の相談からお願いします!
安価な金額にしていますので、是非ともご活用ください。

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 クロスターミナル行政書士事務所:下井